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佐賀県伊万里市のやさしい歯医者さん浦上歯科医院です【公式】ページ

11)ドライマウス口腔乾燥症の続き

前回、ドライマウスの患者さん達に、低分子ヒアルロン酸を含んだ健康食品や
漢方薬の白虎加人参湯を使ったりしてもらったが効果がなかったこと。
また、他にもう一人、プラセンタという胎盤エキスの注射を産婦人科で
うってもらっている患者さんがいるということを報告しました。
先日、その方の娘さんから連絡があり、プラセンタの注射をしたところ
3週間くらいで少し唾液が出始めたということでした。
産婦人科の先生も、もうしばらく続けていたら、
もっと出るようになるだろうと言っておられるそうです。
まだ本調子ではないものの、唾液が出てきたということで御本人は
大変喜んでおられるとのことでした。

ここでプラセンタ(胎盤エキス)のことを知らない方もおられると思いますので
簡単に説明します。

赤ちゃんはヘソの緒で胎盤とつながっていてここから生きて、
成長するための全てのものをもらっています。
プラセンタ注射液は、この人間の胎盤を原料として作られたものです。
「えー!人間の胎盤だって?そんなもん使っていいの?」
なかには、そう思われる方もいると思います。

でもね、私たちの身近にそうゆうものがあるんですよ。
ヘソの緒です。
赤ちゃんが生まれたらヘソの緒を切り取って、桐の箱に入れてとっておくでしょう。

あれって薬に使う目的で保存しているんです。
もし、その人が死にそうな大病になった時、ヘソの緒をきざんで飲ませたり、
煎じ薬として飲ませるんです。
いつのまにか、薬として使うことは忘れられて、単なる記念品になってしまったんです。

先日、うちのスタッフにこのヘソの緒の使い方を知っているかと尋ねたら、
誰も知りませんでした。私の母も知りませんでした。

たとえ知っている人がいたとしても使ったことのある人は稀だと思います。
そんな話を聞いたことがありませんもの。

このプラセンタはいろいろな病気に効くそうです。
副作用は、ほとんどないそうです。
このプラセンタについて詳しいことを知りたいと思われる方は、
吉田健太郎先生の書かれた「プラセンタ療法と総合医療.たま出版」を
読まれてみると良いかと思います。

牛、馬、犬、ネコ、etc、哺乳動物は出産の後に胎盤を食べてしまいます。
食べないのは人間だけだそうです。
人種の違い、宗教の違いに関係なく、人間が胎盤を食べないのは畏れを

感じているのではないのでしょうか?

人間が大自然などに持っている敬いのような畏れの感情で食べないのではないでしょうか。尊とさを感じているのではなかろうか。そう思います。

この「唾液が出ない。」ということは虫歯や歯周病にとてもなりやすくなります。
歯垢が歯にこびりついて少し磨いたくらいでは取れなくなってしまうんです。
でも、このドライマウスが我々歯科医を困らせるのは何と言っても老人の総義歯です。
総義歯は口の中が唾液で濡れていないと使うことが困難なものなんです。
口の中の粘膜が乾いていると義歯でこすれて傷だらけになり、
痛くてはめていられなくなります。
それも1~2ヶ所の傷ではなく、口の中全体に傷が出来て、
ちょっとした義歯の調整などでは太刀打ちできません。

普通、義歯が痛いと言って来られる患者さんの口の中を見てみる
と傷が1~2ヶ所ついています。
その傷にくい込んでいる部分を削ったり、咬み合わせを修正したりして
痛くないようにします。

でも、このドライマウスの場合、全体に傷があり、あきらかに様子が違います。

見ただけで何か違うことに気付きます。

全体に傷ができているため義歯のどこをどう調整しても無惰なことが分かります。

数年前、初めてこういう患者さんの口の中を見た時に、私は混乱してしまいました。

とても自分の力の及ぶところではないと思いました。
義歯だけが原因でないことは感じましたが、ドライマウスが原因だとは
その時気が付きませんでした。

今ではドライマウスが原因の傷だということは分かるようになりましたが
今度は唾液が元のように出るようにする方法がわかりません。
まだ、たった一人の患者さんではありますが、プラセンタで唾液が少し出るように
なったと聞き、ホッとしています。
この患者さんや、他のドライマウスで苦しんでおられる方々の快方を願ってやみません。


浅学歯いしゃの役にたつかどうかわからない話